きっかけは、アメリカで教えてもらった「鳥が食べるサボテン」

「強い日差しが降りそそぐ砂漠の中、たくさんのサボテンがあるにもかかわらず、きまって鳥がつつきに来るサボテンがある。苛酷な環境下であってもなぜか選ばれるその植物には“特別な効能”があるらしい」。そんな話から、サボテンジュースが日本に持ち帰られた2002年の初夏。その後わかったのは、その植物はサボテンではなく実は「アロエ」だったということでした。

1994年に日本で初めてアロエ入りヨーグルトを商品化し、多くの方に召し上がって頂いていたこともあり、「アロエベラ」のおいしさや食感だけでない“新しい可能性”を、見つけ出したい。そう思いました。
しかし、どのような結果が出るか全くの未知数。担当研究員として指名されたのは、たった1人の女性研究員でした。

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有効成分を見つけるということは、「緻密である」+「思い切る」こと

どのような視点で研究を進めるのか悩みました。なぜなら皮膚に塗ってその効果を示した論文や文献は多くあっても、食べてその効果を検証しているものはありません。食品メーカーだからこそ追求すべき機能とは?集めた情報の中でヒントになったのが、糖尿病患者の血糖値改善効果の科学論文でした。そこから生活習慣病、特に肥満や糖尿病に関する効果と、その有効成分を突き止める研究に着手しました。

成分の特定のためには、予想をはるかに上回る大量のアロエベラと、長期間にわたる成分分離作業が必要でした。2つのグループに成分を分離したら、どちらを追求していくのか。毎回二者択一を迫られます。選んだグループに有効成分が入っていて欲しい・・・祈る気持ちは分離が進めば進むほど強くなります。
植物の細胞膜に極微量含まれていた5つの有効成分。見つけ出した時には3年の月日が経過していました。
アロエベラから見出したその有効成分に『アロエステロール®』と名前をつけました。アロエステロール®と似た構造を持つ植物ステロールは多数存在しますが、アロエステロール®の科学的報告はわずかで、未だ合成に成功していません。アロエステロール®はまさに神秘の成分です。

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美容業界の概念を覆すメカニズムや効果へ科学的にアプローチ。そして食品として安心・安全に

植物由来のアロエステロール®がどのように体に取り込まれ、作用するのか。メカニズムの研究は、細胞・遺伝子レベルに至ります。国内の様々な分野での第一人者の研究者の先生達と共同研究を行ない、徐々に機能とメカニズムを科学的に解明することが出来ました。
抗肥満効果、抗糖尿病効果、肌改善効果など、国内では10を超える特許を取得しています。
もちろん、口にして効果を発揮する食品成分なので、継続的に摂取しても問題ないか、安心して召し上がって頂けるかの検証も行ないました。

今は5人の研究チームで、肌への作用を含め更なる可能性を秘めたアロエステロール®の研究を続けています。

「女性研究員ならではの視点で、全ての女性の喜びに繋がる研究を。」

森永乳業には、
そんな志のもとで“アロエだけ”を専門に研究し続けてきた、
女性ラボ・ユニットがあります。

そのラボ・ユニットの名は、 “TEAM ALOE”。

今、長年の研究を経て、
アロエに含まれる成分効果に新たな可能性が広がりました。

写真左から
鍋島 所員
田中 主任研究員(チームリーダー)
三澤 主任研究員
齊藤 研究員
姚  研究員

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森永乳業のアロエステロール®研究の歩み

2002年
アメリカからアロエのジュースを持ち帰る。
2003年
アロエベラについての研究に着手。
2006年
アロエベラゲルから、抗糖尿病効果を示す有効成分として植物ステロールを同定、
「アロエステロール®」と名付ける。
2008年
アロエステロール®の抗肥満効果を確認し論文を発表。
2010年
アロエステロール®が摂取後に、血中に移行することを確認し、日本油化学会において発表
(東北大学大学院農学研究科・池田郁男 教授との共同研究)。
2011年
アロエステロール®が糖・脂質代謝調整にかかわるPPAR(ペルオキシゾーム増殖剤応答性受容体)のリガンド活性を有することを確認し、論文を発表。抗肥満効果や抗糖尿病効果の可能性を裏付ける(京都大学大学院農学研究科・河田照雄 教授との共同研究)。
2012年
乾燥肌の女性を対象に、アロエステロール®含有AVGP(アロエベラゲルパウダー)錠菓の摂取による肌への効果を検討。また、皮膚の線維芽細胞でのコラーゲン・ヒアルロン酸の産生促進効果を確認。
2013年
脂質異常症と腸ポリープを発症するモデルにおいて、アロエステロール®濃縮物摂取による効果を確認し論文を発表 (藤田保健衛生大学藤田記念七栗研究所・新保寛 教授との共同研究)。
2014年
アロエステロール®が含まれた商品を発売予定。

以降、森永乳業は、アロエステロール®のさらなる研究を進めていきます。

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